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せんそうとへいわ
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容赦なく三名全員からリターンされたのでやります←
楽しいからいいんだけどね!!!



【豹変バトン】

☆指定されたキャラの好きな人と嫌いな人への対応を書いてください。

指定:曖沙s→閑廼祇徒、蒼→黒宮詩騎&黄昏時、サラ→ノア
ノアの好きバージョンは絶対に月夜ですね、他は知らないけど(
因みに色は適当です。合うのがノア以外なかったry


1:みつめられる

好→祇徒「なっ、何だよ?//」
詩騎「な、何ですか・・?///」
黄昏時「何見てんですか?」(薄笑←
ノア「あはは、どうしたのぉ?」(ニコニコ

嫌→祇徒「あー・・・なんか気持ち悪いな」(
詩騎「な、何でしょうか・・・;」(怯。
黄昏時「・・・・・・なるほど、そういう事ですか」(と言って茨でぶっ飛ばす←
ノア「その気持ち悪い顔をノアの前に向けないで欲しいなぁ」(と言って魔力の球投げつける←


2:頭をなでられる

好→祇徒「んなっ、な、んだよ、///」(反応がどれも一緒になる気がしてならない
詩騎「は、恥ずかしいんですけど・・・!!///」(で、たぶんまともに顔が見れない(笑)
黄昏時「・・・・・俺頭撫でられるとか初めてかも」(←
ノア「んー、撫でられるのも良いかもぉ」(だか結局抱きつくのではないかな

嫌→祇徒「とりあえずその手を退けろ;」(嫌そうだなー
詩騎「す、すいません・・・っ!;」(って言って払いのけるという。
黄昏時「俺見下されるの好きじゃないんですよねー」(と言って茨でぶっtry
ノア「へーぇ・・・・ノアにこんな事やる度胸あるとはおっどろきぃ・・・」(と言って魔力のtry


3:甘えられる

好→祇徒「ど、どうした? ・・・ま、まあ良いけどな、//」←
詩騎「め、珍しいですね・・・!!///」(ニコ←たぶんちょっと嬉しい。
黄昏時「珍妙な(←)事するもんですねー、まあ悪くない構図ですけど」(クス
ノア「あはは、じゃあノアも甘えちゃうよぉ?」(

嫌→祇徒「あー・・・これが気色悪いってやつか、」(蔑みの眼←
詩騎「っ・・・!?; あ、あの・・・っ、ご、ごめんなさいっ」(って言って逃げる←
黄昏時「あ、うざい」(ぶっ飛ばs
ノア「一回死んどけばぁ?」(魔術でぴえろの集団の中に送り込まれるかと


4:二人きりのディナーに誘われる

好→祇徒「・・・! い、良いのか?」←動揺すr
詩騎「いっ、良いんですか!? 嬉しいです//」(ニコ
黄昏時「あんたから誘ってくるとは吃驚です、まあ行きますよ勿論」(
ノア「わー、行く行くぅ♪」

嫌→祇徒「いや・・・俺お前と一緒に行く精神力を持ち合わせてねーから・・・;」←何気に酷い
詩騎「え、えーっと・・・!!; わ、私ちょっとえっとあの、えっと、あっ、月城さんから誘われているのでごめんなさいっ!!(逃」←確実に下手な嘘。
黄昏時「嫌ですよ、気持ち悪い。あんたと行くぐらいだったらあのクソムカつく奴と行きますよ」(クソムカつく奴=雪慈。
ノア「えぇー? ちょっとさぁ、ノアをディナーに誘うとかどういう神経してんのぉ? あったりまえだけどパスぅ~、司令官でも誘えばぁ?」←


5:煙草の煙かけられる

好→祇徒「あー、少しは煙草控えろよ」
詩騎「!! た、煙草は駄目ですよ!? どれだけ人に害を与えるのかご存じないんですか!? 煙草には有害な物質が約4000も含まれていて、主にニコチンやタール、一酸化炭素など依存性もある物質が肺などに影響を与えガンを促進させるんです、しかもニコチンは一本あたり1~3mg、タールは5~15mgの量で、たったそれだけと思うかもしれませんがそれがどんどん蓄積していずれは病にいt」(以下略ry
黄昏時「んー、まあ俺は煙草の煙程度じゃ死なないけど、いい気はしないからやめてくれませんかー?」(
ノア「ノア、あんま煙草の煙好きじゃないなぁ~、まあ月夜が吸いたいならいいんだけどぉ・・・」

嫌→祇徒「へえ・・・他人様に煙草の煙かけるとは良い度胸してんな・・・・っ」(剣を抜き←
詩騎「っ!! 副煙流の有害物質は主煙流と比べるとニコチンやタールは2~3倍、一酸化炭素は4.7倍、ベンゾピレンは3.7倍、窒素酸化物は3.6倍にもなるんですよ!? つまり死亡率が吸っている方よりも煙を吸ってしまった方のほうが高いんですっ!! あ、貴方のせいで私のように煙をかけられた方が病気になったらどうするんですか!!」←
黄昏時「あんたってさぁ・・・・ほんと俺を怒らせるのが好きですよねぇ・・・」(茨でぶっとばs
ノア「だから嫌いなんだってばぁ、煙草の煙もお前もぉ」(魔術の球でぶt


6:抱きつかれる
好→祇徒「なっ・・・!?///」(固まる(笑)
詩騎「っ!!!!Σ/////」(固まるどころでなく真っ赤になって硬直すr
黄昏時「Σ どうしたんですか? 珍しいですねー、」(抱きとめ←
ノア「? めっずらしー、ノアもぎゅーってするよぉ^^?」(といってぎゅーっとするという←

嫌→祇徒「っ・・・!? てっめ、放せ!!」(
詩騎「!!??」(青褪めて硬直する←
黄昏時「・・・・なるほど、このまま背骨を折って欲しいってワケですねわかりましたー」(
ノア「・・・・死刑決定だよぉ」(眼が本気←


7:突然キスされる

好→祇徒「っ・・・!?////」(何もいえない←笑
詩騎「んっ・・・!!??///////」(びくっ
黄昏時「っΣ ・・・・・・誘ってるんですかぁ?;」←
ノア「Σ わお、吃驚したぁ・・・でも全然平気だけどねぇ~♪」(機嫌よくなr

嫌→祇徒「!! ・・・・・・、」(思いっきり唇噛む←
詩騎「っ!!!! ・・・っは、な、な、な、何を・・・っ!!!!」(流石に睨む
黄昏時「・・・」(思いっきり腹を殴る←
ノア「!! ・・・きもちわるっ、」(唇こすりまくってから殺害←


8:「今日は帰さない」

好→ 祇徒「なっ・・・!?///」←またか
詩騎「っ!!??///」←これもまたry
黄昏時「Σ ・・・積極的ですね、なんか・・・」(眼を丸くし
ノア「え、帰らないつもりだったけどぉ?」(←

嫌→祇徒「断るに決まってんだろ」(冷たい
詩騎「いっ!? い、いえっめ、迷惑でしょうし帰りますっ!!!」(慌
黄昏時「・・・これあんたに言われて残る奴なんてたぶん存在しないと思いますけど?」(で、帰ると←
ノア「いや、ふつーに帰るしぃ・・・気持ち悪い事言わないでよぉ」


9:「消えて」

好→祇徒「・・・・・・わかった、」
詩騎「!! ・・・わ、かりました・・・」(悲しげな顔で
黄昏時「俺がそう言われて消えると思います? ・・・何か、あったんでしょう?」(真面目な顔
ノア「・・・・・月夜がそういうのなら、」 

嫌→祇徒「喜んで帰るわ(」
詩騎「わ、わかりました消えますねっ」(絶好のチャンスと思って立ち去るでしょうね←笑
黄昏時「いや、言われなくても消えるつもりでしたしー」
ノア「あはは、何そのシリアスモード気取っちゃってんのぉ?」(小馬鹿にすr


10:手を握られる

好→祇徒「っ! ・・・、」(少し握り返す
詩騎「っ・・・!!///」(顔真っ赤にして俯いて握り返すんじゃないかな
黄昏時「・・・・なんか積極的ですね、」(
ノア「♪」(ぎゅーと握る←

嫌→祇徒「ちょ、え、・・・・・・っ!!」(ばっ、と振り払う
詩騎「なっ!?」(思わず振り払ってずざざざ、と後退←
黄昏時「・・・・・・・・」(そのまま茨で手首を切ry←
ノア「・・・・・ぶちのめされたいって事かぁ・・・」(


11:急に殴られる

好→祇徒「っ・・・!! ど、どうしたんだよ・・・?;」
詩騎「痛っ・・・・Σ!! っ、・・・な、何か・・・あり、ましたか・・・?」(この人なら痛みに耐えながらそれでも心配してくれるでしょう←
黄昏時「・・・・・・・・・・・いくらあんたでも限度ってのがあるんですよねー、三倍返ししてもいいって事ですか」(といってやりかえs
ノア「っ、・・・何かあったなら話して、月夜」(月夜相手ならやり返さないよノアは!!

嫌→ 祇徒「・・・・・・・・・・てめぇ、そんなに俺を怒らせたいのかよ・・・・、」(禍々しいオーラがry
詩騎「痛っ・・・・!! や、やめて下さい・・・!」←ていうかやられる前に十鬼が助けに来ると思うんだ(笑
黄昏時「・・・・・・・なるほど、あんたは俺に殺されたいってわけだ、よーくわかりましたよお望みどおり殺してやりますよ」(有言実行します←
ノア「・・・ぶっ飛ばすよぉ?」(同じく有言実行←


12:「おごってあげる」

好→祇徒「いや・・・!! 俺が払うからお前は先行ってろ、」(
詩騎「えっで、でも悪いですしっ!! 私が払いますからっ!!!」←必死
黄昏時「良いんですか? じゃあお願いします、でも今度は俺が払いますよー」(
ノア「良いのぉ? 有難ぉ~♪」←

嫌→祇徒「迷惑だから断る」(きっぱり。
詩騎「け、結構ですっ!!;」
黄昏時「ふうん? じゃああそこの高級料理店でたっくさん食べさせて下さい」(ニコ←
ノア「おっことわりぃ~、いくら奢ってくれるって言われても、一緒に食べたくないしぃ」←


対応を見たいキャラ(リターン可

今回は自重しましょう! 結構回されているみたいだし・・・
やりたい方はどうぞフリーでやっちゃって下さいなw

ていうか疲れた・・・4人は疲れるよこれ。そしてカラーが眼に痛い・・・鮮やか過ぎる

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 あの夜の事は、一生忘れない。大切なあの(ひと)が死んだ、あの夜の事は。確かにあの夜、俺は決裂したのだから―――


 

愛した夜がける

 

 




 ずっと昔、まだ何も知らないガキだった頃。


祇徒(しと)!」


 カルコラーレファミリーのボスの息子である閑廼(しずの)祇徒は、名前を呼ばれて振り返った。


(れい)、」


 ヴェンタッリオファミリーのボスの娘である蓮漣(はすれん)麗が、笑顔を浮かべて立っていた。


「一緒に遊ぼう」


「いいよ」


 ――― お互い、敵対マフィアのボスの子供ではあったけれど。そんな思考は子供の脳内には存在しなかった。ただ、相手の事が好きだった、ただ、それだけ。

 


 


 「――― ヴェンタッリオ」


 昔よりも幾分か低くなった自分の声に、驚かされた。月日はあっという間に過ぎていく。あの夜の事など何事もなかったかのように、流れていく。


(
でもあの夜は確かに存在した)


 だから、今の自分がいる。そしてそれは――― 眼の前に立ちはだかる少女にも、言える事だ。


(
なあ、麗)


 少年は心の中でつぶやく。


(
もうあの夜は明けた)


 武器である扇を構えた少女を見やる。


(
だからもう、決裂の意思を示してやっても良いよな?)


 ――― 少年は静かに、剣を抜いた。


 

 


 初恋は蓮漣麗であった、と祇徒は断言できる。そしてそれは、相手側もそうであっただろうと言える。別にこれは自惚れでも何でもなく、事実だ。


 だって確かにあの頃は毎日が楽しくて楽しくて楽しくて、たまらなかった。


 ――― 背後に何が迫っているかも知らず、ただガキだった祇徒と麗はあの日々を愛していた。


 決裂する夜が訪れる事も知らず、ただ朝が来る事しか見ていなかった。

 


 


 あの日は朝から屋敷中がそわそわしていた。


(
何か抗争でも起きるのかな)


 普段はガキらしく遊んでいたけれど、幼い頃からカルコラーレファミリーのボスになる事が決まっていた祇徒は、麗よりも裏の顔に慣れ親しんでいた。だから直感的に、そういうものを感じ取っていた。


「祇徒」


 ボスである父が自分の名前を呼んだ。


(
麗が呼ぶ『祇徒』、とは違う響き)


「今日はあまり出歩かずに大人しくしていなさい」


「・・・・・・はい」


 やはり抗争があるのだ、と祇徒は確信した。


(
嫌な、予感がする)


 こういう直感は自分よりも麗のほうが当たるんだよな、と淡い期待を抱いて。


 でも、それは麗も感じていた事だった。


 

 


 銃声と金属音がひっきりなしに聞こえていた。


(
屋敷内で抗争、さっき見た顔には見覚えがある―――)


 今度は、確信はなかったけれど、あの顔は確かヴェンタッリオの者だ。


(
麗は、いないだろうな・・・・・・でも、)


 麗の母親は、ヴェンタッリオのボスである。


(
いや、思い違いかもしれない・・・マフィアなんて皆同じような顔だ)


 どくん、と心臓が蠢いた気がした。


(
――― 行かなきゃ)


・・・どこへ?


(父さん(ボス)
のところへ)


 ただ、そこに見ておかなきゃいけないものがある気がするから。

 


 


 「祇徒はさぁ」


「うん?」

 


 とある昼下がりの事だった。祇徒、ロキア、透離(とうり)日向(ひなた)は同じ部屋にいて、不意にロキアが口を開いた。


「優しいし甘いとこもあるけど、所詮裏側の人間なんだよな、私らと一緒で」


「はぁ?」


「自分で気付かないかな、この中の誰よりも実は凄く裏に染まっている人間だって事にさ」


「ロキア、」


 日向の鋭い声が入ったが、ロキアは薄い笑みを浮かべるだけだった。


「裏側の人間、ねぇ・・・」


 幼い頃の記憶がぼんやりと浮かぶ。あの日、あの夜の事。幾度となく思い出し甦る、あの夜の事。


「ボスは・・・」


 透離が静かに呟いた。


「裏に染まっているのではなく、元々裏の色をしているのでしょうね」

 


 


 父と母のいる部屋は、赤く染まっていた。


「っ・・・!」


 血塗れに転がっている刀。未だに止まらない鮮血。一人の、女性。


「・・・れ、・・・麗・・・お母さん、」


 妙に悲しげな表情をした父さんが、それを見つめていた。血塗れになった麗の母親の死体を、ただくらい瞳で見つめていた。


「祇徒」


「父、さん」


 だが、祇徒は自分で思っていた以上に心が穏やかな事に気付いた。全く動揺していない自分に動揺した。


(
ああ―――)


 麗の母親の死体、脳内でリンクする――― 父さんの悲しげな眼が、脳内に焼き付いた。


(
母さんは、死んだのか)


 妙に冷め切った頭で、幼い祇徒はそう思った。


「行くぞ」


「・・・はい」


 そう答えた祇徒の顔は、幼いながら既に(マフィア)の顔だった。

 


 


 人は死ぬ。最初からそれは決まっている事だ。


 だからあの日、二人の母親は死んだ。父親も死んだ。


 そして僅か十歳だった少年と少女は、今までの自分を殺した。


 

 


 「・・・・・・・・・来たか」


 父さんの酷く落ち着いた声がそう呟いた。無数の足音と叫び声が既にここまで聞こえ始めていた。


「祇徒、隠れておきなさい」


「はい、」


 まるで従順な犬のように、祇徒は物陰に隠れた。


 


 バン、と思い切り開く扉。一人の少女が姿を見せる。


(麗・・・?)


「カルコラーレ、ボス・・・命、頂きに来ました」


 ――― 麗。


 父親と麗が喋っていた。低い声で、そして強張った声で。


(
――― 麗、)


 麗の表情は、立派に(マフィア)の顔をしていた。


(
麗はヴェンッタリオのボスになったのか)


 俺がカルコラーレのボスとなるように、麗もまた。


 ――― 麗の手には扇が握られていた。だが、それと共に一丁の拳銃も持っている事に、祇徒は気付いていた。


(
麗がヴェンッタリオのボスになったように、俺もカルコラーレのボスになるのか)


 パァン、という乾いた銃声と共に、父親が倒れた。


(
・・・・・・父さん、)


 父親が倒れていく姿から眼を離す事が出来なくなった。幾度となく見てきた死体なのに、それは全く違うもので――― 冷静な自分も発狂しそうな自分もいる事に驚いて、眼を見開く。


(
父さん、俺は―――)


 よろり、と祇徒は物陰から出た。麗が少し驚いた顔で自分の名前を呼んだのが聞こえた。


「・・・・・・・・・祇徒、?」


「・・・・・・ッ、麗!」


 キッ、と麗を睨みつける祇徒に、麗はボソリと呟いた。


「・・・・・・敵同士だ、さよなら、祇徒・・・・・・」


 そう言って、麗は立ち去った。


 後に残されたのは父親の死体とカルコラーレのボスに定められた一人の少年。


「・・・・・・何が、さよなら、だ」


 思わずそう呟く。


「お前は何もわかっちゃいないくせに」


 あの少女はきっと知らない。自分の母親が殺されたように少年の母親が殺された事も、少年の父親の葛藤も、そして――― 少年の本当の姿も。


「わかるはずがないんだ」


 自分の本当の姿なんて――― 俺にもわかってないんだからさ。

 


 


 (今ならわかる、少しだけ)


 剣を握り締め構え直しながら、祇徒は思う。


 ロキアや透離の言ったとおりだ。


 閑廼祇徒は優しくて甘いのだろう。だが、彼は誰よりも幼い頃から裏の顔を知っており、誰よりも裏に染まっていて、そして生まれたときから既に裏の色をしていた、完璧なる裏側の人間なのだ。


 

「お前は昔からわかっていなかった」


「・・・何が」


 鋭い声。でもその奥は震えている事を知っている。


「俺の覚悟だよ」


 扇を握り締める力が強まった事に気付きながら、祇徒は続けた。


「お前は裏に染まりきっていないんだ。俺とは違って――― だから覚悟もまだ出来ていない、俺の覚悟はあの夜から完璧なものになっていたし、俺はきっと最初から裏側の人間だ」


「何を言っ、」


「まだまだ甘いぜ、ヴェンタッリオ。そんなんじゃ俺は殺せないし決別なんざ出来ない。でも安心しろよ、きっかけさえあればお前はいつでも裏側に来れる」


 完璧では、ないけれど。でもお前の周りにいる奴はどいつも裏に染まりきった人間だから、きっと――― 俺よりも上手い方法でお前をどうにかしてくれるだろう。


「言っておくけどな、俺はもうずっと昔からお前を決裂していたつもりだよ。お前は自分を殺したかもしれないけど、まだ俺に対してあの感情を捨て切れていないんだろ。でも俺はもうとっくに捨てちまった。お前の事は大切な存在だけど、それ以上でもそれ以下でもない」


「・・・黙れ」


「お前は母親を目標にしているんだろ? でも俺は違う。俺は父さんを目標にしてるんじゃない、俺は父さんを超える。だから父さんを超えるためならば、」


 すぅ、と息を吸い込み、吐き出す。


俺は何だって捨ててやるよ


「っ・・・!」


 そう言って、祇徒は剣を鞘に仕舞いくるりと背を向けた。


 そろそろ迎えに行かないと、うちの暴君少女は手が付けられなくなる。特に頭の中に浮かぶのは二人だけだが。


「じゃあな、麗」


 びくりと肩を震わせたのがわかった。


「次会うときは、完全なる決裂の時だ」


 ――― そのときは、きっと何かを失ったときだろうけど。


 ――― でも人は何かを失わなければ気付かない。


 ――― そうして裏に染まっていくんだよ、ヴェンタッリオ。


 


 あの日、あの夜の事は決して忘れない。あの日、俺は表の自分を殺して裏の自分を生かした。完全なる自分との決裂。愛すべき夜。封印したいあの日。


(
絶対に、俺は、お前を、)


 初恋なんて曖昧なものじゃなく、確かな感情を抱いて――― 少年は仲間の名前を呼んだ。

 

 



To Be Continued...

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第肆話...気炎万丈



 「鎖月聖を殺したいのよ

 睦月理世は、その顔に似合わない、怒りと憎悪がこもった表情で言い捨てた。

「鎖月、聖・・・・・・」

「聞いたことぐらいあるでしょう? 実在するのかわからない、謎の鎖月家次期十三代目当主(・・・・・・・・・・・・・)

 小耳に挟んだことはあった。鎖月家現当主である鎖月(かがり)が、十四年ほど前に、不意に言い出した少女の存在。だが名前は出ても姿を見たものはおらず、実在しないのではないかという噂が流れた。

「実在しないと思ってる? 凍城翠」

「・・・・・・いえ、居ると思っていました」

 鎖月家は恐ろしい家、修羅の家。祖父はそう言っていた。何をするかわからない。血縁関係にあっても、平気で人を殺せるような家、だと。

「用済みになって殺したのか、それとも世間にさらしたくなくて閉じ込めているとか、意味のわからない鎖月家の掟とかを押し付けているとか・・・・・・だから姿を現さないんじゃないかって、幼いながらにそう思っていました」

「なるほどね。思っていたより頭が良いみたい」

 恐らく年下であるだろうに、理世は生意気な口調だった。

「殺したい、ということは実在しているんですね」

「そうよ。居もしない人間を恨んで殺したいと思うほど、あたしは莫迦じゃない」

 莫迦じゃないの、というように、理世は鼻で笑った。

 元来、鎖月家と睦月家は仲が悪い。四大名家が争うようになったのも、元はといえばこの二つの家が諍いを始めたのがきっかけと言われている。何故仲が悪いのか、そういう類の話は、翠はよく知らない。

 兎に角、鎖月家と睦月家は仲が悪く――― 面識がなくとも、いがみあっているケースが多いのだ。

――― あたしには兄がいたの。千理(せんり)って名前の、兄が」

 ぽつり、と理世は呟くように話し始めた。

「大好きだった。いつもあたしを一番に考えてくれる、優しい妹想いの兄」

 ――― その兄が六年前に・・・・・・殺された。

「その日は何故か兄だけが屋敷に残っていたの。あたしも父も、全員出掛けていて・・・・・・使用人は離れを使っていたから、屋敷には兄だけで・・・・・・兄は刀で斬られて、殺されていた」

 当然、鎖月家の者が殺したのだということになった。当たり前だ、鎖月家と睦月家は古くから仲が悪かったのだから。

「当然よね、ほんと。兄は次期当主で、殺されてもおかしくない立場だったわ」

 さっき理世は、睦月家次期当主と名乗った。ということは、兄が死んで妹にお鉢が回ってきたということか。

(それが余計に、心苦しいのかもしれない・・・・・・残された者はいつだって苦しい思いをする)

 かつての自分が甦る。

(この子は僕と違って、正しい復讐をしようとしているみたいだけど)

「許せなかった。誰が殺したのか、あたしは一人で探すことにした。情報屋を当たったり、ほんとにいろんなことをしたの。そして九ヶ月ぐらい前・・・・・・あたしは、鎖月聖に出逢った」

(六年の月日が流れても、彼女は兄を殺した相手を探していた・・・・・・)

 六年間。長かったろう、と翠は思った。もしかすると、理世にとってはとても短かったかもしれないけれど。だが、それでも、翠にとっては長い年月だ。

「偶然だった。睦月家本家は壱之町の近くにある。だから壱之町にはよく来ていたのよ。そこで逢ったの、鎖月聖に。彼女は人を殺していた。あたしを見て無言で立ち去って・・・・・・あたしは気まぐれを起こして死体を眺めたの。そしたら気付いた・・・・・・。この斬り方、傷跡、どれをとっても兄のものと一緒。これでも睦月家よ、見てわかる。忘れもしない、血塗れで倒れていた千理(にい)の死体と一緒だったのよ!」

 睦月理世に果たして、斬った跡を分析出来るのかはわからない。だが・・・・・・。

(彼女が第一発見者だった。そして兄を殺した犯人を見つけるために、少しでも手がかりを覚えておこうと鮮明に、はっきりと、“傷”を見た。見ようとした。だから、覚えていた・・・・・・)

 個性的な剣技のスタイルをとっていれば、傷跡で誰がやったのか、見分けがつくことも可能かもしれない。

「あたしは探した。探し続けた、あのときはまだあの少女が鎖月聖だって知らないから、記憶だけを頼りに情報屋を当たって探したの。そして先月、とある情報屋に逢って・・・・・・鎖月聖だということを知った」


『黒髪に金色の瞳。人形みたいに整った顔立ちで、身長170cm以上ある・・・・・・すっごく綺麗な女』

『・・・この子かしら?』

 情報屋は写真を差し出した。間違いない、紛れもなくあのときの少女。

『誰なの、こいつは誰』

鎖月家次期当主(・・・・・・・)・・・・・・鎖月聖よ(・・・・)

 写真の中で、鎖月聖は、恐ろしいほど美しい無表情を見せていた。


「あたしは鎖月聖を殺したいの。だからね、協力して―――貴女の大好きな幼馴染の事、教えてあげるから」

「世賭の事を・・・・・・?」

 何も知らないんでしょう、と理世は鼻で笑った。

「知っていたら、一緒に旅なんかするはず無いものね。鎖月家元次期当主で(・・・・・・・・・)鎖月聖の異母兄妹(・・・・・・・・)鎖月世賭であると知っていたら(・・・・・・・・・・・・・・)

 ――― 瞬間、世界が凍ったような気がした。




...第伍話に続く

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ぴったりバトン編(めっちゃ大量になりそうで怖いry とりあえず銀魂と、もう一つ別のでいちいち答えていこうと思います←


★手を繋ぐなら
銀魂→九ちゃんだろ!!!!! これは九ちゃんだろ!!!!(
薄桜鬼→斎藤ハァハァ^p^//←やめれ

★抱き付くなら
銀魂→仔杉(
薔薇乙女→蒼星石!!! なんかムギューってしたい(

★抱き付かれるなら
銀魂→九ちゃんに是非とも抱きつかれたいですね←
ほけ神→藤君でお願いします(

★恋人にするなら
銀魂→九ちゃry うーん・・・男か、男なら山崎だな← いいじゃないか山崎好きなんだよ((
DRRR!!→静雄。静ちゃん恋人とか滾るry←

★ペットにするなら
銀魂→ならば敢えてエリザベスと言わせて貰おうじゃないか←
ほけ神→アシタbry いや嘘ですすいません、調子に乗りました。

★結婚するなら
銀魂→え、九ちゃんでしょ?(
薄桜鬼→斎藤で!!

★浮気するなら
銀魂→まず九ちゃん相手だったら浮気しませんから!!!←
薄桜鬼→沖田でしょ(ニヤ←

★両親にするなら
銀魂→近藤さん!!! 近藤さんなら父にも母にもなれると思ry
ホリック→四月一日! 四月一日も父にも母にもなれると思うんだ(

★兄、姉にするなら
銀魂→月詠さんでしょ!
ナルト→白!!! 絶対、白!!!! 断固、白!!!←

★妹、弟にするなら
銀魂→弟:仔杉 妹:神楽
DRRR!!→弟:幽 妹:クルリとマイル(

★子供にするなら
銀魂→ええー・・・・・九ちゃん(
禁書目録→絹旗さん!!! 大好きだよ絹旗さん超可愛いよ絹旗さんry

★虐めるなら
銀魂→沖田と一緒に土方虐めたいかなーww
禁書目録→一方通行をひたすら虐めてみたいでs(

★虐められるなら
・・・・無理じゃね?^q^

★語るなら
銀魂→山崎だね(
バカテス→ムッツリーニに寧ろ語られたいですけど何か(

★甘えるなら
銀魂→九ちゃんだろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
夏目→夏目でいきましょうか(

★甘やかすなら
銀魂→もう九ちゃん以外に誰がいると云うんですか(
復活→獄寺。

★敵に回したくないのは
銀魂→神威
DRRR!!→ウザヤ((うざそうだかr

★デェトするなら
銀魂→九ちゃん九ちゃん九ちゃん九ちゃん九ちゃん九ちゃん九ちゃん九ちゃん九ちゃn
薄桜鬼→斎藤ですね(

★旅行行くなら
銀魂→九ちゃん以外に誰がry
薔薇乙女→蒼星石(すっげよくねぇ?←

★バトンを⑪人に回してね
じゃあ・・・・・蒼、サラ、青金石さんかな(
11人もいねーよ!!!




【豹変バトン】
☆指定されたキャラの好きな人と嫌いな人への対応を書いてください。

指定:ソルト・ヴァルヴァレス

1:みつめられる
好→「ど、どうした・・?//」←純情(
嫌→「・・・・・・・何だ

2:頭をなでられる
好→「は、恥ずかしいんだが・・・・・//;」
嫌→「ああ、そうかそうか、お前はいっぺん死にたいのか(」

3:甘えられる
好→「め、珍しいな・・・//」
嫌→「・・・・・・・・・・・・・・・」(冷ややかな目つき←

4:二人きりのディナーに誘われる
好→「喜んで行かせて貰う」
嫌→「お断りだ(」←きぱーり

5:煙草の煙かけられる
好→「・・・・・・煙草は控えた方がいいぞ」(お父さん!!!←
嫌→「喫煙所に今すぐ行け」←?

6:抱きつかれる
好→「わっ・・・Σ// ど、どうした? 何かあったのか?」(お父さんry
嫌→「・・・・・・今すぐ離れろ、でなければその頭ぶち抜く」(殺し屋の眼だ!!

7:突然キスされる
好→「っ・・・・!?////」
嫌→「・・・・・・・・・・・・・・貴様、殺されたいのか」(

8:「今日は帰さない」
好→ 「クス、それは俺のセリフだぞ」
嫌→「ふざけているのか?」←

9:「消えて」
好→「・・・お前がそう言うのなら、」
嫌→「寧ろお前が消えてほしいんだが・・・;」←切実(笑)

10:手を握られる
好→「っ・・・//」(顔赤くしてそっぽ向く。
嫌→「・・・・・今すぐ離さないと(以下、6に同じ」

11:急に殴られる
好→「い"っ、・・・お前、力強くなったな」←お父さん?
嫌→ 「・・・・・・ああ、そうか今すぐ殴り殺されたいという事か、よくわかった」(殺し屋だ←

12:「おごってあげる」
好→「い、いや!! 俺が払う、」(慌
嫌→ 「いや、俺が払う。お前なんかに貸しは作りたくないからな」

対応を見たいキャラ(リターン可
「えー、じゃあ蒼の愛架ちゃん、曖沙さんの昴or麗、サラは誰でもいいそうだ←
因みにリターンはok。寧ろしてほしい、どーんと来いと言っていたぞ」

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第参話...隔岸観火



 「遅いな・・・・・・」

 翠は誰に言うでもなく、そう呟いた。

 翠の入浴時間は大体二十分程度だった。それから一時間が経過したが、散歩に行った世賭は帰って来ていない。

(探すべきか、否か)

 嫌な予感がしていた。それは不安、でもあったが。

(僕の知らない、僕と出逢う以前の世賭に、関係していることが――― 起きている気がする)

 そう思うだけで、吐き気がした。

 ――― 僕は知りたくないんです、以前の世賭のことなんか。嫌なんです、怖いんです。

「はぁ・・・・・・」

(僕は何も知らない。世賭のことは何も)

 仕方が無い。世賭の為ならば、たとえ知りたくなかろうと知るしかないのだ。どんなに恐ろしかろうと、仕方が無い。

 だが、結局は自分の為でしかないのも、わかっていた。

 翠は剣を持って部屋を出た。長い長い廊下を歩き、宿を出る。

「肌寒い・・・・・・」

 世賭はどこまで散歩に行ったのだろうか。中央部まで足を伸ばしたという可能性もある。

――― 北部」

 北部は政府や小組織が管理しているビルが立ち並んで、近代的かつ都会的・・・・・・いかにも世賭が惹かれそうだった。

「北部に、行ったんだ」

 ――― 世賭・・・・・・!

 それは、緩やかな心の叫び。



 四月二十二日、八時四十六分。

「着いた・・・」

 翠は静かにため息をついた。とん、と高層ビルの一つに背を預け、眼を閉じる。

 と、そのとき。人の気配がした。即座に剣を抜き、身構える。

「!」

「やりィ、四大名家凍城(とうじょう)家の生き残り――― 凍城翠はっけーん

 眼の前に、見知らぬ少女が立っていた。

「何故、それを・・・・・・」

「驚いてるの? まあ、当たり前よね。でもあたしの名前を聞いたらもっと驚くだろうね」

 緑色の瞳を細めて、少女はにこやかに微笑んでいる。

「あたしの名前は睦月(むつき)理世(りせ)。四大名家の一つ、睦月家の次期当主

 翠の瞳が、大きく見開かれた。


 ――― 四大名家。国家機密に指定され、政府でもほんの一部しか知らないと言われている四つの名家のことだ。

 それぞれはそれぞれを支配しようと長く争っており、そして政府派と反政府派に分かれている。また、鎖月(さづき)家、凍城(とうじょう)家、睦月(むつき)家、黒宮(くろみや)家の総称

 だが現在は、凍城は壊滅し、睦月は裏社会からは降り、極道の家と成り下がっているため、その争いもほぼ休戦中だ。

 ――― 翠がかつて、恨み、愛し、捨てて、壊した凍城家は、反政府派で四大名家の一つだった。

「そんな怖い顔しないでよ、凍城翠。何もしたりしないわ。ただね、協力してほしいだけだから」

 ――― 鎖月聖を殺すために(・・・・・・・・・)



 鎖月世賭は、ふらふらとした足取りで宿に着いた。まだ、さきほどのショックが収まりきれていない。ぐわんぐわんと、頭痛がする。


――― 何故、聖がここに」

「逃げてきたんだよ。助けてくれた使用人がいてね」

「逃げてきた・・・・・・? 鎖月家から?」

「お前だってそうだろ、世賭。鎖月家に従って殺しをやるのが怖くなったから逃げ出した(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

「っ・・・・・・!」

「人間の脳は面白い。自己を護るために、自己にとって害だと判断された記憶は排除しようとする。私にとってお前という記憶は、害と判断された。だから最近まで、すっかりお前の存在なんて忘れていたよ。

 だけど今同居している女が情報屋でね。抜け落ちているパーツを大体、埋めてくれた。その代わり、私が知っている限りの四大名家、及び鎖月家や私についての情報を提供している」

「僕が・・・壱之町に来たことを知って・・・・・・・逢いに来たのか?」

「別にそういうわけじゃないけどね。まあ、逢って見たかったのは確かだ」

 ――― 戦ってみたい。ただ、それだけ。

「な・・・・・・・!」

「修羅の瞳を左眼に宿し鎮静しているお前が、どの程度なのか――― 知りたい気がしないでもないだけだ」

「どう、して・・・・・・」

「所詮、私もお前も鎖月家の人間だ。鎖月の血には抗えない。今度は刃を交えよう」

 そう言って、聖は去っていった。


 あの“違和感”は、聖のことを予感していたのだ。約半年前、アリカと戦った敵の名前は、黒木(くろき)そして今日――― 四月二十二日は聖の誕生日

 これだけでは終わらない、と・・・世賭の脳内で誰かが叫んでいる。

 

『終わらない、これだけでは。四大名家が関わりだす。これだけでは、決して終わらせやしない』

 
 頭痛が治まらない、足元がおぼつかない。世賭は無我夢中に部屋を開けて中に入った。

 刹那。―――すっ、と何かが冷めていくのを感じた。

「・・・翠?」

 ――― 翠が、どこにもいなかった。



...第話に続く

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