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せんそうとへいわ
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 「―――魔術と特殊能力の違いって何だ?」

「・・・・・・は?」

 

 とある日の昼下がり。翠の淹れた紅茶を飲んでいた世賭が、不意にそんな事を言い出した。

「それ、私に聞いてるの?」

 怪訝そうな顔で尋ねるアリカに、世賭はポーカーフェイスで返す。

「ああ。この国は武術と魔術と特殊能力の蔓延る世界だろ。だけど僕も翠も魔術や特殊能力を使えないから、ピンと来ないんだ。

 戦闘では多々、顔を合わせるそれらについて、何も知らないって言うのもアレだなと思って」

「さすが世賭、真面目だなぁ。でも世賭の事だからそういう類の事はちゃんと理解してると思ってたんだけどな、本とかで」

 結構読書家っぽいし、とアリカが付け加える。翠といえば、まるで無関心のような素振りで自分の作ったクッキーをつまんでいる。

「いいよ、教えてあげる。魔術と特殊能力の違いは、まあ一言で言っちゃえば・・・・・・魔術は魔力でしかなくて、特殊能力は何でもアリ、かな」

「何でもアリ・・・・・」

 まだいまいちピンと来ていないらしい世賭を一瞥し、アリカは話を続けた。

「魔術は魔力を生まれながらにして宿している者しか使えないの。それで魔力を使って魔術を生み出す」

「へぇ・・・・・?」

「人によって魔力の量は違っていて、私はかなり膨大な魔力量を誇っているから長く使えるけど、魔力を使い果たすとしばらく魔術が使えないの。回復するまでね。まあ、ヒットポイントやライフポイント的な感じ?

その点、特殊能力は限度がない。まあ、あるのもあるけど・・・それはその特殊能力によって違う。それにね、さっきも言ったけど魔術は生まれながらにして魔力を持っている者しか使えないけど、特殊能力はいきなり使えるようになったりもする」

「要するに、僕や翠は、絶対的に魔術は使えないけど、特殊能力は使えるようになるって事か?」

「そうね。あともう少し詳しく魔術について説明するわ。魔術には属性ってものがあって、それは個人の魔力の性質によって変わるの。火、水、風、雷、土。これら全てを扱える魔力を持っているってーのはまずいなくて、基本的に一属性ぐらいかな。そこらへんはランダムなんだけど」

「でも魔術といったら、他の事もしていると思うんですけど? 火とか水とか操るだけではなくて」

 それまでずっと無関心でいた翠が口を挟んだ。

「さっき言ったとおり、火や水なんかは主なわけ。その人の魔力に備わる属性ってだけ。そこから派生して、色んなことが出来る。

 たとえば水と風を組み合わせて蜃気楼を作ったり、微量な火と風で眼くらましをさせたりとか。風属性だったら空気の流れを読んで敵の気配を察知とかしたり出来るし、雷なんて言ったらほんとに色んなことが出来るよね。この世は電子機器ばっかりだから」

「確かに色々出来そうだな」

「うん。えーっとね、そこで特殊能力の話なんだけど。特殊能力は限度も何もかも無い。その人が持っている潜在能力だから使いすぎたって切れないし、火や水といったものに固定されることもない。とにかく何でもアリ。どんな能力だって存在すると言っていいわ。私は影を操る能力を持っているしね。

 たとえば雷属性の魔術を扱う人と、雷を操る能力を持つ人がいるとする。その違いは、魔術のほうは魔力によって創り上げた雷でしかないから限度があるし、魔術で創り上げた電気しか操れない。でも雷を操る能力のほうは、要するに磁場自体を操っているから、自然のものも何もかも、どこまでも際限なく使えて、ほんとに何でもアリなわけ」

「へえ・・・魔術のほうが、何だか不便だな」

「まあ、そうかもね。でも、魔術にだけ命をかけて魔術にだけ特化した人とかは、本当に強いよ。膨大な魔力を持った者とか、凄く綺麗な純血の魔力を持っている者の魔術は、すっごく強い。

あとは、さっき言ったとおり基本的には扱える魔力の属性は一属性だけだけど、稀に複数の属性を扱える魔力を持つ人もいたりする。たとえば、私とか」

 そんな人は、ほんとに滅多にいないけど、とアリカは呟いた。

「私だって全部の属性は持ってないしね。全属性を扱える奴なんて、私は一人しか知らないわ」

「へえ・・・・・・」

「因みに幻術はまた別ね。魔術の水や炎とかでも多少は出来るけど、幻術は幻術として別に確立した能力だから」

「なるほど・・・」

「気が済んだ? 世賭、」

「ああ。勉強になった」

「あ、クッキー食べるの忘れてたーっ! 頂きますっと」

「紅茶冷めてきたな、もう一杯」

「たまには自分で淹れようよ、」

 

 こうして、三人の昼下がりは過ぎていくのだった。

やっと書きたかった説明的文章うp出来た・・・・・・!!←
うん、これほんと説明的文章だよね。でもこれが前提なのです。
第二章からは特殊能力と魔術(特に特殊能力)がバンバン出るので、一応書いとかねば、と思いまして。

5月の上旬以内には、第二章開始するぞと宣言します。マジで。一応結構進めてあるんで、うpできます。
というわけでsee you again(

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無題
あぁ…いいわこーゆーほのぼのしたの^^

めっちゃ説明だけど;

夜月砂羅 2010/05/01(Sat)17:59 編集
無題
サラ>おう、説明さ←
そろそろ第二章始めんぜwww
あ、デュラララはまってくれて嬉しいよ。
夜零 在処 URL 2010/05/01(Sat)22:35 編集
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