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せんそうとへいわ
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 死体を見つけてから約二週間。その間、樹は何をしていたんだろうか。


 零が言っていた。樹は死体に魅せられていると。


(
死体を見に行った? 毎日? 毎日? 毎日?)


 何の感情も浮かんでいなかった樹。ぼーっとして、ただ死体を凝視する姿が眼に浮かぶ。


 毎日ではなかったかもしれない。だけどきっと、毎日に近いくらいあの死体を見に行っていただろう。


(これは悪い変化だ(・・・・・・・・))


 僕と初めて喋ったとき。樹は一際輝いていた。あの輝きを、樹は失ってはならない。


(
そうだ、僕は思ったじゃないか。森に呑み込まれるのは僕や零ではなく樹だって)


 森ではなく死体に呑み込まれてしまったけれど。


(
―――樹に電話しよう)


 自転車を漕ぎながら携帯をポケットから取り出し、樹の携帯にかける。しばらく発信音が続いた後、樹のかすれた僕の名前を呼ぶ声が聞こえた。


『……』


「古谷の森―――死体のところにいるんだろ? 樹」


『……』


「なんで僕の家に電話をかけてきた?」


『……なぁ、』


「……ん?」


『夏祭り、楽しかったか?』


「……樹、」


『……』


 それからブツッ、と電話は切れた。


 僕は小さくため息をつき、携帯をポケットに入れた。そして、思いっきりペダルを漕ぎ出した。



 夏祭りが嫌いなのは、人が沢山いて吐き気がするから。僕は人が苦手だった。


 初めて行った夏祭りで吐き気と頭痛とめまいが一気に襲ってきて、僕は速攻帰るはめになった。


 それからずっと夏祭りというものを避けてきた。あんな思いをするのはごめんだったし、夏祭りなんて楽しくないと思っていた。


 だが樹と仲良くなって、それで―――樹は僕が夏祭りを嫌いだと知っているにもかかわらず、夏祭りに誘ってきた。


(
僕はやんわり断ったのに、樹が無理矢理僕を引っ張って行ったんだ)


 僕は楽しくないところになんて行きたくないと言った。だが樹はきっぱりと、こう言ったのだ。


『楽しいよ。俺と一緒に行くんだから』


 結局、長居は出来なかった。やっぱり以前よりかはマシとは言えど気分が悪くなったし、居心地も悪

かったから。だがそれでも―――


「楽しかった、んだよなぁ」


 樹が最後にどうだったか聞いて来た。だが僕は「まあまあ」とか「微妙」とか、そんな答えを返した気がする。


 それから樹とは、夏祭りへ一度も行っていない。

 


 夜の古谷の森はさすがに恐ろしかった。幸いな事にカバンに懐中電灯を入れていた(零が肝試しをしたいと言っていたため、持ってきていたのだ)から良かったけれど、それでも頼りない光だった。


 森は妙に涼しくて、僕は思わず身震いをした。人間とは違った森のざわめきが、落ち着かない。


(
この道を樹は一人で―――)


 無表情にただ淡々と、歩き続けたのだろうか。

 


 ようやくあの古びた小屋らしきものが見えてきて、僕は少し足早に奥へ進んだ。あの死体があった茂みの近くに、一人の少年がぼーっと突っ立っている。


「樹!」


 樹がゆっくりと振り向くと同時に、僕は傍に駆け寄った。そして、死体のほうへと視線を向ける。


 死体は予想以上に腐敗していなかった。この暑さだ、もっと腐敗していると思ったが―――森の中だからだろうか、虫は少々湧いているし黒ずんできているが、まだ原型をとどめている。


「……ほら、見ろよ」


 樹のかすれた声。


「こいつ、生きているんだ(・・・・・・・)


 え、という僕の声は、音になっていなかっただろう。


「いつ、」


「これを見ると落ち着くんだ。これを見ないと落ち着かないんだ」


「いつ…き、」


「俺は、死体に惹かれているんだ」


「樹……」


 ぼんやりと暗闇に浮かび上がる、真っ白な死体の顔。それが―――陽炎のように揺らめいた。


「え」


「……」


 瞬間、ぐわんと世界が反転した気がした。


「っ…!?


 死体と樹が遠ざかっていく感覚。死体がにやりと不敵に微笑んだのが見えた。


(なんなんだ(・・・・・)
これは(・・・))


 不敵な笑みを浮かべた死体に向かって、樹が手を伸ばす姿を最後に、僕は意識を失った。



 夏休み最後の日、八月三十一日。小学校最後の夏休みが、今日で終わる。


 あれから樹に会ったが、樹は大人しいというか暗いというか、そんな性格になってしまっていた。一緒に会った零とイチと今井さんは戸惑っていたように思う。


(
夏休み明け、クラスでも皆戸惑うだろうな)


 樹の変化はそれほどのものだった。

 

(あの日―――樹は失った)


 死体に魅せられた事によって、何かを。その何かがなんなのかは、明白だ。


 あの後、樹はきっと死体を見に行っていないだろう。樹にはもう死体は必要じゃないし、死体にとっても樹は必要じゃない。樹は死体に「魅せられ終えた」し、死体は樹に「失わせ」た。

 

 あの死体がなんだったのか、どうして死んでいたのか。そしてどうして樹が死体に魅せられたのか。それはもう、知るよしもない。

 


 ―――何故ならもう、夏休みは終わったからだ。

 



END

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 夏祭り当日。集まったのは、この前の探検をしたときのメンバーだった。―――ただ一人、樹を抜いて。


「樹は用事があるから行けないらしい。仕方ないね」


 そう言った零は、黒地の浴衣を着ていた。今井さんも白地の浴衣を着ている。


「じゃ、回るか」


 イチがそう言って、僕らは歩き出した。

 


 相変わらずの人の多さ。どんどん人が溢れかえってくる。


 食べ物を焼く煙と熱気、人のざわめきが僕を襲う。


(
それでもマシになったなぁ)


 昔はすぐダウンして、吐き気が襲ってきたものだ。


(
それで冬姉におぶられて家へ帰ったんだ)


「お前、夏祭り苦手とか言ってなかったっけ。平気なの?」


 イチが聞いて来た。僕は小さく笑うと、平気になったよ、と答えた。


「成長したなぁと思うよ」


「まあな、もう半年で卒業だし。人は変わるよな」


「……そうだね」


「それにしても樹、残念だったよな。夏祭りとかあいつ、好きなのにさ」


 ―――樹。用事があると言って来るのを断った樹。


「まあ、まだ夏祭りはあるし、そのとき誘えば良いんじゃないかな」


「まあな。そういや、零と今井は?」


「カキ氷のところ並んでるけど」


「ええっ、俺も食べたいのに! なんで一言言わないんだよ」


 はぁ、とわざとらしくため息をつき、イチは苦笑した。そして、ぼんやりと呟く。


「俺も昔、あんまり夏祭り好きじゃなかった」


「え?」


「いろいろあって。人が多くて、なんかいつもと違う空間は苦手だったんだ。だけど、今は凄く好き。この感じとか、なんとも言い難いけどさ」


 だから、とイチは続ける。


「お前もきっと夏祭りが好きになるときが来るよ。この感じ、ってのが理解するときが」


「……そうかもね」


 零と今井さんが駆け寄って来るのが見えた。零の右手にはカキ氷、左手にはフランクフルト。今井さんはカキ氷だけだ。


「おま、どんな組み合わせ? カキ氷食いながらフランクフルト食うの?」


「んなわけないじゃん、気持ち悪い。カキ氷は二人にあげるつもりで買って来たんだよ。ほら、スプーン二つあるでしょ?」


「ああ…って、二人で一緒に食べるのかよ?」


「僕はパスね。気持ち悪いから」


「いや、え、いや確かに気持ち悪いけどそれはひどい」


「あはは」


「乾いた笑いはやめてくれ」


―――樹も来れば良かったのに。


 なんとなく、そう思った。



 日は落ち、夏祭りも佳境へ入った頃。ポケットに入れてあった僕の携帯が震え出した。常にマナーモードなのだ。


「……冬姉?」


 姉からの着信だった。急いでボタンを押し、人混みからならべく離れる。


「どうしたの?」


『さっき葛原君から電話が来たから、知らせておこうと思って』


「樹から?」


 ―――どうして、樹から僕の家に?


『貴方がいるかどうか聞いて来るから、今は夏祭りに行っていていないと答えたの。そしたらじゃあいいです、すいませんって言って切れた』


「え……」


『いつもと違った雰囲気だったけれど、何かあったの? それに、何か急いでいるように聞こえた。どこかに行くところで急いでいる、みたいな』


「どこかに行くところで急いでいる……」


『じゃあ、伝えたから切るね。夏祭り、せいぜい楽しんで』


 せいぜいとは何だ、と突っ込む暇もなく切られた。だが、その暇があったとしても僕は何も言えなかったかもしれない。


(
樹は用事があったんじゃないのか……? それになんで僕に電話を)


 僕は呆然としたまま零たちの元へと戻る。

 

「電話か?」


「どうしたの? 大丈夫?」


 イチと今井さんが聞いて来たが、僕は首を振った。


「ごめん」


「え?」


「ちょっと急用が出来た。悪いんだけど、帰るよ。僕の分までせいぜい楽しんで」


 それじゃ、と続けて言って、僕は走り出した。僕の名前を呼ぶ零とイチの声が聞こえたけれど、構わず人混みに突っ込む。


 樹はどこかに行こうとしているのは間違いない。姉の直感はなかなか当たるのだ。


(
そのどこかがどこなのか―――僕なら、わかる)


 僕は止めていた自転車を探し当て、急いで乗る。そして一気に漕ぎ出した。


 向かう先は―――――古谷の森。



...ⅶに続く

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 エアコンの効いた快適空間。そこで僕は、あと少しで倒す事の出来る学生の敵、宿題に立ち向かっていた。自由研究は姉に少し手伝って貰いながらではあったが無事に終了し、部屋に放置している。あとはこのドリルだけだ。


「ねえ、ちょっと」


 不意に呼びかけられて、僕はバッと顔を上げた。姉が相変わらずの無表情で僕を見下げている。


「携帯、鳴ってた。メールじゃない?」


 はい、と携帯を渡される。確かに着信を示す光が点っていた。


「ていうか冬姉(ふゆねえ)、いつの間に部屋に……」


「ちゃんとノックしたのに返事しないから。そんなに熱心に宿題をやっている小学生なんてあまりいないと思うけれど?」


「早く終わらせたいんだよ。そういうものだってば」


「そう。じゃあ頑張って」


 淡々とした声で姉は言い、部屋を出て行った。


「誰からだろう?」


 パコン、と携帯を開く。僕の携帯はいわゆるキッズ携帯というやつで、微妙にちゃっちい感が漂っている。


(
零のやつは普通の携帯なんだよなぁ)


 樹もキッズ携帯だったけど。


「……零から?」


 珍しい、と思いながらメールを開く。内容は、四日後にある夏祭りのお誘いだった。行かないか、という事と、日時と待ち合わせ場所だけが書いてある。相変わらず簡素な内容である。


(
夏祭りか……)


 夏祭りは好きじゃない。だけど―――


(
小学生最後の夏休み、だもんなぁ)


 そりゃあ、夏祭りなんて来年も行けるだろうけど。


(
樹の気持ち、わからないでもないな)


 最後の夏休み、という響きは絶大である。それがたとえ小学生最後、であったとしても。


(
来年からは小学生じゃないしね)


 射的などは値段が変わる。金魚すくいのサービスも、一匹減る。


「……行こうかな」


 ―――最後の夏休み、なのだから。



...ⅵに続く

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 死体を見つけてから一週間が経った。そろそろ僕の嫌いな夏祭りが各地で始まるな、と思いながら、厄介な自由研究という巨大な壁を壊すために僕は図書館へ向かった。


 あれから樹たちには会っていない。この一週間、零やイチや今井さんは勿論、樹からすらも連絡がなかった。零はともかくとして、他のメンバーはショックが抜けきっていないのだろうか。


(
樹は大丈夫かな)


 魂の抜けたような感じだった樹。あれから会っていないからどんな様子なのかわからない。


「あれ? 何してんの、こんなところで」


 不意に後ろから声がして、僕は思わず勢いよく振り返った。


「なんだ、零か」


「なんだ、とは失礼だな。で、何してんの?」


「自由研究やるために図書館へちょっと」


「ああ、なるほどね。私もう終わっちゃったけど」


「早っ」


 他愛もない会話だ。まるで一週間前に死体を見つけた事が嘘のよう。


「私も暇だし図書館行こうかな。今読んでいる本も読み終えそうだし」


「じゃあ、一緒に行こう」


 そういえば見た目に反して零は読書家なんだよな、
と思いながら、並んで歩き出した。


「樹に会った?」


「え、……いや、会ってないけどなんで」


「いや、ね。さっき見かけたんだよ。声かけようかと思ったんだけど、猛スピードで自転車で行っちゃうし、なんか喋りかけづらいオーラ出してるし、かけられなかったんだけど。後から思って驚いたんだけどさ、走っていった方向は明らかに古谷の森の方角だったんだよな」


「え……ほんとに?」


「なんでこんな事で嘘言うわけ? まあ驚くよね、だって樹が一番ショック受けているように見えたのに、また森に行くなんてさ。私も行きたいけど」


 付け足された言葉はともかくとして、確かにその通りだった。樹はショック―――かどうかはわからなかったけれど、死体を見て衝撃的な何かを受けていたはずだ。僕や零だって見に行こうとしていないのに、まさか樹が。


「でも、森の方向ってだけだろ? 森に行ったんじゃないかもしれないし、何か森に忘れていった物があって取りに行ったのかも」


「その可能性はあるけどね。でも、私はそうは思わない」


 相変わらずはっきりとした言い方だ。何の根拠もなく、自分の意見を絶対突き通してくる。


(
ほんと、変わってない)


「樹、もしかすると――――」


 ぼそっと呟いたその言葉に、僕は返事をする事が出来なかった。



 図書館へ行き自由研究に役立ちそうな本を見つけて借りた後、僕は零と別れて古谷の森に向かった。森に行くため、というよりは、樹に会うため。


(
鉢合わせ出来たら奇跡だな)


 零が樹を見かけたと言ってから随分経っている。


(
それでも―――少し見てみたいんだ)


 ずっと変わらなかった僕ら。でも樹に変化が訪れている。徐々に、希薄になっていく樹。


「あ」


 森に行く一本道。幅広で、前と同じく陽炎立ち昇る道路の向こう。ぼーっとのろのろ自転車を漕ぐ少年。


「樹、」


 どんどん僕の方向へ近付いてくる。徐々に西へ傾いていく太陽を背に、樹が、のろのろと。


「樹?」


 樹は僕に見向きもせず、通り過ぎていった。


(
気付かなかった―――わけないよな、)


 だって、樹は真横を通り過ぎて行ったのだ。


 僕は思わず振り向く。ゆっくりと薄暗くなっていく空の方向へと、樹は消えて行った。


(
零の言ったとおりかもしれない)


 

『樹、もしかすると――――』


『あの死体に、魅せられているのかもね(・・・・・・・・・・・)

 


 ……あの、死体。死体をじっと見ている樹。意味はよくわからない、だけどまさしくその姿は――魅せられた人間の姿。


(
樹―――、)


 僕らは間違った選択をしたのだろうか、と思った。


 死体を警察に届けるべきだったのか。


 あんな奥まで進まず、途中で引き返すべきだったのか。


 森に行くべきではなかったのか。


(
まあ、いいか)


 僕は思考を振り払い、そのまま来た道を引き返し
始めた。


(
考えても、無駄なんだ。なるようになればいい)


 変化は誰にでも訪れる。その変化は他人にも自分にも止められない。


(
そのきっかけが死体だったってだけの話じゃないか?)


 だがそう思っても、僕の中から不安要素は消えなかった。



...ⅴに続く

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 白に近い金髪。染めたにしては綺麗過ぎるその髪が、地面に広がっていた。白い顔、白い腕、白い足。どちらかといえば蒼白い。そう、まさしく死人のような。


(
―――当たり前だ、これは死体なんだから)


 綺麗な死体だった。見たところ外傷がなく、ひどい顔もしていない。全くの無表情で眼を閉じて死んでいる。確かな年齢はわからないが、恐らく二十代ぐらい。男の死体だった。


「な、なんで……なんで、死体が、こんなところに……」


 血の気を失い、呆然とした顔の今井さんの言葉に、イチが苦虫を潰したような表情をして眼を伏せる。とりあえずショック状態の今井さんはここから遠ざけた方が良さそうだ。


「……イチ、とりあえず今井さんを向こうへ」


 思った以上に、自分がかすれた声である事に驚いた。これでもショックは受けているようだ。


 零がしゃがんで死体をじっと見つめていた。多少驚いてはいるようだが、恐怖よりも好奇心のほうが勝っているようで、ずっと死体を観察している。


 一方、樹はさっきから微動だにしていない。今井さん以上にショックを受けているのだろうか、だとしたらやっぱり遠ざけないと。


 そう思って、近付いたとき、僕は違和感に気付く。


「……樹…?」


 樹は無言だった。無言のまま、ただひたすら死体を凝視している。


(
……なんかまずいかなこれは)


 とりあえず樹の腕を引っ張り、今井さんとイチのほうへ連れて行く。全くの無抵抗だ。


「零、」


「外傷は全くないけど、血を吐いた跡がある。薬か何かみたいだ」


 一応眉をひそめてはいるが、死体を見ても全く平気なようだ。今井さんと同じ女の子として、この反応はどうかと僕は思う。


「この死体、どうする?」


 とりあえず精神状態がまともそうな零とイチに尋ねる。イチは困ったようにまた眼を伏せ、零は考えているようだった。


「警察に届けるのが普通だろうけど……正直面倒、かな。子供とは言え詳しい事を聞かれるのは絶対だし……まあ疑われる事はないにしろ、行ってはいけないって言われている森に来た事に関して怒られる事は確実」


「なるほど」


 零は警察に届けたくないわけだ。

 

「確かにね」


 イチは迷っているようだったが、零の考えだから賛成だろう。それはきっと今井さんも。二人は零に絶対の信頼を置いているから。


 問題は、樹だ。


(
樹の意見次第じゃ全てが丸っきり逆方向になってもおかしくない)


 だが、予想と反して樹はゆっくりと頷いた。


「警察には届けない」


「……じゃあそうしよう」


 樹なら警察に届ける、と言い出しそうだと思っていたから意外だった。だけどそんな事を言ってまた話がごちゃごちゃになるのも面倒だったので、そのまま流す事にする。


 警察に届けず死体を放置する、なんて事が良くない事は重々わかっていた。だが、この件は絶対にバレない事も、僕らはわかっていたのだろう。


「とりあえず、森から出よう」


 僕の言葉に、よろよろと皆歩き出す。


「この件は、絶対に誰にも言っちゃいけない。良いね?」


 ―――こうして、僕らは死体を見つけたのだった。



...ⅳに続く

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